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Composer/Arranger アーカイブ

2007年08月09日

Alexander Siloti (1863-1945)

シロティ(Alexander Siloti)に関する書籍、「 Lost in the Stars: The Forgotten Musical Career of Alexander Siloti 」が最近届きましたので紹介します。(日本では一般にカタカナで「シロティ」と表記されますが、発音は「ジロティ」の方が近いようです。ですが、このサイトでは「シロティ」と統一しています)
シロティはリスト、アントン・ルビンシュタイン、チャイコフスキーの弟子であり、ラフマニノフの師でもあります。バッハのピアノ編曲を多く残しており、Carl Fischer社から出版されているThe Alexander Siloti Collectionにも大多数の作品が収録されています。
この本には、シロティが残したバッハの編曲作品のうち14曲を収録したCDが付録で付いています。このCDでしか聞けない編曲(2007.8時点)もいくつかあり、かなりマニアックな音源の一つです。

シロティ編曲の録音で、より手に入れやすいCDとして「Bach Piano Transcriptions - 5 」があります。このCDには、シロティのほか、ゲディケカバレフスキーカトワールなどロシアの音楽家による編曲が収録されています。


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2007年08月15日

The Art Of Samuel Feinberg Vol. 3

注文していたCD、「The art of Samuel Feinberg, Vol. 3: J.S. Bach works for clavier and organ」が届きました。フェインベルグ(Samuil Feinberg, 1890-1962)は、私の最も気に入っている音楽家の一人であり、その独特なバッハ演奏解釈は心を捕らえて離しません。私のホームページの中でも、平均律全2巻のCD紹介や、編曲集のCD紹介で書いていますので、そちらもご覧下さい。

さて、今回購入したこのCD「The art of Samuel Feinberg, Vol. 3: J.S. Bach works for clavier and organ」は、既に持っていた編曲集のCDとほとんどの曲が重複しますが、唯一初CD化された音源として、「イタリア風アリアと変奏 BWV 989」が収録されています。露メロディヤのディスコグラフィからはこの曲の存在が確認できていましたが、永らくその録音を耳にすることができないでいました。ぱっと聴いてすぐに判る、フェインベルグのクセのある演奏。今回ようやくCDで聴けて感動しています。

フェインベルグのその他の録音や作品については、こちらのページで紹介しています。ただ大半は通常手に入れるのが難しい状態です。今回取り上げたCDは、Amazonで以下のリンクから購入できます。

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2007年08月17日

August Stradal (1860-1930)

ストラーダル(August Stradal, 1860-1930)、チェコのピアニストで、1860年に生まれ1930年3月13日に没しています。ブルックナーやリストの弟子に当たり、リストの名演奏家として名を馳せていたようです。この音楽家は私にとって長い間謎の存在でした。大量のピアノ編曲を残しており、バッハのピアノ編曲も膨大な数が残されています。当然ほとんどが絶版になっているため世界各地に散らばって残っているものをかき集めるしか方法がありません。その編曲作品のリストには、バッハやブクステフーデのオルガン曲、ヘンデルの協奏曲、リストの交響詩、ブルックナーの交響曲など通常ピアノ編曲など考えられないような大曲が並び、抜粋でなく全曲が編曲されておりその量に圧倒されます。ことバッハに関しても、多くのオルガン曲や、ブランデンブルグ協奏曲の全6曲など相当数の編曲を残しています。本ページの曲目データベース上も、まだすべて整理し終わっていません。

ところで、最近ストラーダルの真相に近づくひとつの契機がありました。チェコに住む音楽愛好家と知り合いになり、その彼がストラーダルについて研究していたのです。彼曰くストラーダルは国内でも忘れ去られておりほとんど知られていないそうですが、各種図書館や博物館には数多くの楽譜や自筆譜が残されているとのことでした。残された自筆譜は、出版されている編曲作品以外にも多く存在するようです。実際にいくつかの自筆譜を見せてもらいましたが、発想記号や指使い、ペダル指示等が細かく書き込まれ、かつ非常に見やすいものでした。

さて、ストラーダルの編曲手法は比較的単純で、原曲の音をできる限りたくさん拾おうとするものです。結果、インテンポで演奏するのはかなり難しい編曲になっていると思います。中には常識を超えた、2オクターブ以上にわたるアルペッジョや重音進行を多用されています。たとえば、以下の譜例はブランデンブルグ協奏曲 第1番 ヘ長調 BWV 1046のピアノソロ編です。音も多く、「重厚派手」という言葉がぴったりな編曲です。

Bach=Stradal/ Brandenburg Concerto No.1 in F major BWV 1046
(Bach=Stradal/ Brandenburg Concerto No.1 in F major BWV 1046)

作品によっては音を追加しているものもあれば、原曲の音をそのままピアノ譜におこしているものもあります。ある程度分類できそうですが、また後日作品を取り上げて書いていきたいと思います。

2008年04月10日

ストラーダルが残した手稿譜

ストラーダルは、以前取り上げた通り膨大な数のピアノ編曲を残しています。彼の作品リストは文献として残っていますが、その中で出版されずに手稿譜として残されている作品も多くあり、バッハの編曲は20種類を超えます。これらが手稿譜のまま忘れ去られてしまう(現に作成から100年近く経っています)のは大変残念なことです。そこで私は、これらを浄書して後世に残していきたい(大袈裟ですが)と考え、現時点で既に4曲浄書しました。追って紹介していきたいと思います。

さてストラーダルの残したピアノ編曲は、とにかく2本の手で可能な限りたくさんの音を拾おうとしており、重厚な音楽となっています。2オクターブ以上にわたる常識はずれな和音や跳躍が平気で出てくるため、楽譜通りにインテンポで演奏するのは不可能なのではないかと思わされます。他の音楽家の編曲作品と比べても、ストラーダルの編曲結果は決して傑作と呼べるものではないと思いますが、ストラーダルの魅力は、他の音楽家がピアノソロに編曲しようとは思いもしない曲の編曲をたくさん残してくれたことで、強引ですが少なくとも2段譜に収まったピアノ譜として音楽を眺めることができるのです。また、原曲の声部ごとの動きがわかるような記譜になっており、原曲をイメージしやすい編曲とも言えます。

そんなストラーダル編の手稿譜を浄書することは、ストラーダルの編曲結果をなぞるというよりも、バッハの原曲、その作曲技法を堪能できる(勉強できる)と思います。おかげで私にとって、ストラーダル編の浄書はピアノを弾くのと同じくらい楽しい作業になりました。副次的な効果として、楽譜製作ソフト・Finaleの使い方もだいぶわかってきて、入力スキル・スピードも向上しました。

バッハが先輩音楽家の楽譜を写譜することで作曲を学んでいったように、この浄書が私の編曲スキル向上に役立つともっといいなと思いつつ、気長に浄書は続けていこうと思います。


    【ストラーダルが手稿譜として残したバッハ編曲作品リスト】
  • カンタータ 第12番 「泣き、嘆き、憂い、おののき」 BWV 12

  • カンタータ 第78番 「イエスよ、汝はわが魂を」 BWV 78

  • マタイ受難曲 BWV 244 より 合唱「われらは涙してひざまずき」

  • ヨハネ受難曲 BWV 245 より 合唱「安らかにお眠りください、聖なる亡骸よ」

  • 7つのオルガン曲
     1. カンツォーナ ニ短調 BWV 588
     2. 前奏曲 イ短調 BWV 569
     3. フーガ ト短調「小フーガ」 BWV 578
     4. フーガ ロ短調「コレッリの主題による」 BWV 579
     5. フーガ ハ短調 BWV 575
     6. トリオ ニ短調 BWV 583
     7. 幻想曲 ハ短調 BWV 562

  • パストラーレ ヘ長調 BWV 590

  • コラールパルティータ 「キリストよ、汝真昼の光」 BWV 766

  • コラールパルティータ 「おお神よ、汝義なる神よ」 BWV 767

  • コラールパルティータ 「喜び迎えん、慈しみ深きイエスよ」 BWV 768

  • トッカータ 嬰ヘ短調 BWV 910

  • トッカータ ハ短調 BWV 911

  • トッカータ ホ短調 BWV 914

  • 前奏曲 変ホ長調(第1版) ~ 無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV 1010 より

  • 前奏曲 変ホ長調(第2版) ~ 無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV 1010 より

  • 管弦楽組曲 第1番 ハ長調 BWV 1066

  • 管弦楽組曲 第2番 ロ短調 BWV 1067

  • 管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV 1068

  • モテット「われは憂い多く」による序奏とフーガ(リストによるオルガン編曲による)
       (カンタータ 第21番より)


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